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組織を動かす「ファシリテーション」の力 ~経営コンサルタントが現場で果たすべき本当の役割~

ファシリテーションとは何か?

「ファシリテーション」とは、もともと英語の“facilitate”=「容易にする、促進する」に由来し、「人々の活動を円滑に進め、より良い成果を導くための支援」を意味します。

具体的には、会議やワークショップなどの集団活動において、参加者の思考や対話を促進し、課題の整理・意思決定・アクションにつなげるよう導くことを指します。進行役としての「ファシリテーター」は、中立的な立場で対話の質を高め、集団知による創造や納得感のある合意形成を促す存在です。

しかし、ファシリテーションの本質は「単なる会議進行」にとどまりません。組織内の関係性を紡ぎ直し、思考と行動の質を高め、変革の連鎖を生み出す「組織開発手法」そのものです。

経営コンサルタントが「組織をファシリテートする」意味と効用

多くの中小企業では、トップダウンの指示命令型マネジメントに依存する傾向があります。その結果、幹部や従業員の自律性が失われ、現場の停滞や離職率の増加といった問題が生まれやすくなります。

こうした状況において、経営コンサルタントが果たすべき最大の役割は、「ファシリテーター」として組織変革のきっかけをつくり、自走型の組織文化を育てることです。

私たちは現場に入り込み、トップ・幹部・従業員との対話を通じて、「見えていなかった課題」を顕在化させます。そしてその課題をどう捉えるか、どう乗り越えるかを「共に考える」プロセスを丁寧にファシリテートします。

このアプローチによって、

  • 当事者意識の醸成
  • 対話による信頼関係の構築
  • ボトルネックの共有と打開策の創出
  • 目標設定とPDCAの実装

などが可能となり、「指示待ちの組織」から「能動的に課題を設定し、行動する組織」へと変貌していくのです。

経営陣に「して見せる」のがプロの役割

私たちの支援では、経営層自身がファシリテーションを体得できるよう「まずコンサルタントが実演する(して見せる)」ことを重視します。

たとえば、新任代表と既存メンバーとの関係性を再構築する「リーダーズ・インテグレーション」では、ファシリテーターが場を設計し、

  • 「新代表について知っていること・知りたいこと・伝えたいこと」
  • 「部門目標への貢献のアイデア」

などを引き出しながら、互いの認識を可視化し、共通目標への納得を形成します。

このような経験を通じて、経営者自身が「人を動かす対話」とは何かを体感し、やがて自らもファシリテーターとして組織を導く存在へと育っていくのです。

「やってみせ、言って聞かせ、させてみて、褒める」――これは育成の黄金律ですが、コンサルタントこそがまずそれを体現する必要があります。

ファシリテーションにより組織が変革した事例

【事例①】製造業:連続赤字からのV字回復

ある製造業では、連続赤字・債務超過という深刻な財務状況の中、3代目社長がすべてを決定するワンマン体制が続いていました。幹部は機能せず、離職率も高止まり。営業力も弱く、現場の士気は著しく低下していました。

当社はまず、経営層・現場幹部・従業員との一対一面談を重ね、組織内の対話の土壌をつくりました。その上で、

  • ファシリテーターとして課題設定をリード
  • 幹部会議の設計と目標管理制度の導入
  • 営業会議のプロセスファシリテーション

を実施。評価制度と連動した成果目標の策定とPDCA運用を根付かせていきました。

結果、組織は「自走」し始め、若手幹部の覚醒が相次ぎました。3年間の支援で赤字体質を脱し、現在は黒字を維持しながら後継者育成にも注力できる状態に変わっています。

【事例②】運送業:息子に継がせたいという思いからの改革

別の事例では、冷蔵倉庫をもつ運送業者において、赤字が5期続き、実質債務超過。幹部は旧態依然、苦手な営業、値上げ交渉から逃げるなど、現場は沈滞していました。

この企業では「息子に会社を継がせたい」という想いが改革の原動力となりました。幹部との面談・教育・数字の意味の理解促進・営業支援などを進め、経営層が自らファシリテーター的役割を担えるように成長。結果、黒字化を実現し、約定弁済も継続できるまでに改善しました。

※事例については、クライアントの機密を守るために、内容調整を行っております。

まとめ:ファシリテーションは「経営者育成」である

単なる問題解決手法ではなく、ファシリテーションとは「組織が動く力」を内側から引き出す「育成の技術」です。特に中小企業においては、経営者自身がファシリテーターとしての視点とスキルを持つことが、持続可能な成長の鍵となります。

私たちは、組織を一時的に「代わりに動かす」のではなく、「動けるようにして見せる」ことを通じて、真の自走化を実現します。

貴社も「ファシリテーション力」を育ててみませんか?

  • 組織の会議が機能していない
  • 幹部が育たない
  • 指示しなければ動かない
  • 会社の将来像が描けない

こうした課題に心当たりがあれば、ぜひ一度ご相談ください。経営層から現場まで「共に考え、共に動き出す」組織へとファシリテートさせていただきます。

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