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クライアントインタビュー

武田商店

全面的な営業の見直しによって、
県外向け卸売が5倍まで成長。

株式会社武田庄二商店
代表取締役社長 武田和哲

掲載日:2025年10月2日

HMCにコンサルを依頼した経緯を教えてください。

武田:当社は酒問屋として、山形産の日本酒やワイン、焼酎、リキュールなどを全国の酒販店に販売しています。酒造メーカーとの連携を生かして、地元の農産物を活用した酒や食品などの商品開発も手がけているのですが、私たちがすもものワインを開発した際に、中小企業基盤整備機構の販路開拓のアドバイザーをされていた星野さんに指導を受けたのが始まりでした。

その後のフォローアップとして、星野さんからずっとアドバイスを受けたていたこともあり、当社の経営状況をよく知っている星野さんにお願いするのが一番いいと思い、2023年に顧問契約を結んだんです。

売り上げが芳しくなかったと伺いましたが、どんな原因があったのでしょう?

武田:創業以来、取引先は山形県内の酒販店が中心だったのですが、県内需要が落ち込んできたこともあり、新たな販路を開く必要がありました。そこで、2006年から山形の地酒を1本から購入できる「地酒小ロット発注システム」を立ち上げたんです。全国初の取り組みではありましたが、当時はホームページもなく、サービスを告知する術もないため、売り上げが立ちませんでした。

それに加えて、コロナ禍の影響により、飲食店での取り扱いが大幅に激減したため、酒販店も私たちも大きな打撃を受けました。コロナ禍から数年が経ち、多少は回復したもののずっと厳しい状況が続いています。

こうした背景もあり、どうやって利益を上げていくのか、今後の会社をどのようにしていくのかという相談も含めて、星野さんに指導していただこうと思ったんです。

武田庄二商店

他のコンサルファームにお願いしていた時期もあったと伺いました。

武田:前のコンサルタントは、数字だけを見てプロセスにあまり関与しませんでした。その点、星野さんは会社にどんどん切り込んでくれるので、一緒に伴走できる信頼感がありました。事業計画もつくって終わりではなく、我々の進捗状況を見ながら、何度も計画を修正し直してくれるんです。

どのように経営改善を行っていったのでしょう?

武田:当社の柱は地元の酒販店との取引ですが、この先の県内需要が見込めないことはわかっていましたから、県外の売り上げをいかに伸ばしていくかが課題でした。「地酒小ロット発注システム」のホームページも作ったのですが、見た人の問い合わせを待つという受け身のスタイルだったもので、なかなか売り上げに結びつきません。

そこで、まずスマホでの発注にも対応できるように全面的にリニューアル。さらに全国の酒販店リストを購入して、それをもとにダイレクトメールやファックスを入れて重点的に営業しています。この酒販店リストも星野さんが用意してくれて、「ここを開拓しなさい」と指示してくれましたね。

営業としては初めての試みでしたが、とにかくやってみようと。目標とする利益を上げていくために、やるべきことを全て数字に落とし込んでいますから、社員も数字に責任を持って取り組まないとなりません。星野さんはキーエンス時代に実績をつくってきた人ですし、営業のノウハウもたくさん持っていますから、絶対の信頼を置いています。

武田庄二商店

これによって、県外の酒販店との取引はどのくらい拡大したんでしょう?

武田:本格的に取り組み始めて3〜4年ですが、毎年120〜130%くらい伸びてきています。2025年3月期で6000万円ほどの売り上げで、だんだん1億円のラインも見えてきたところです。加入社数も北海道から沖縄まで、500社以上の酒販店と取引が広がりました。

新しい取引先が増えてニーズも多様になったせいか、定番だけでなく、レアな日本酒も売れるようになり、品揃えもかなり増えました。どんどん回転していきますので、県内の酒造メーカーとの取引も活発になりましたね。

武田庄二商店
武田庄二商店

御社独自で新商品の開発にも取り組んでいるんですよね?

武田:うちの売上として大きいのは、飲食店に納める業務用酒販店とコンビニエンスストアです。コンビニには山形の酒を納めているんですが、新商品の提案も行っていまして。先ほどお話ししたすもものワインのように、地元の農産物を使った新しい酒やコンビニと酒蔵のコラボ日本酒など、年間で1〜2商品を開発しています。これも対コンビニの売り上げを上げていくための施策の一つです。

星野さんからは、「まだ新商品はできないのか、いつできるのか」としょっちゅう確認の連絡が入りますから、のんびりしていられません。

武田庄二商店

HMCの指導を受けるようになって、どんな点が良かったと思っていらっしゃいますか?

武田:やはり、客観的に会社を見てもらうことで方向性が絞られ、何をどう頑張るべきかが明確になったことだと思います。そして、何よりも私たちと一緒になって伴走してくれるので心強いですね。

星野さんはうちの社員のことも全部把握していますので、個々のやり取りも頻繁にあります。特に幹部の社員たちは、目標数字の達成という責任を負っていますので、ことあるごとに星野さんに相談したり、指示をもらったりしていますね。毎月の幹部会議で報告しなければなりませんし、目標をクリアできない時はその原因を厳しく詰められますから。

それと大事なことですが、星野さんの場合、金融機関としっかりコンタクトが取れることもお願いして良かったと思うことの一つです。例えば融資を受けるにあたっても、星野さんが作った資料が判断材料になるわけですよ。金融機関も星野さんもお互いに何が必要なのかを理解し合っているので、議論のポイントもずれないですし、話が早い。事業計画に基づいた返済計画についても、事前に金融機関と相談してくれますし、私とは違って専門家同士のやり取りができるわけですから、金融機関が星野さんに寄せる信頼も厚いです。

それは企業としても心強いですね。

武田:全くその通りです。我々だけだとどうしても甘くなりがちなところを、星野さんは細かく厳しく指摘してくれますのでありがたいです。営業面だけでなく、経営全般にわたって指導してもらえますし、労務関係のことは社会保険労務士である奥様に相談できますのでね。

今後、どのような姿を目指していますか?

武田:まだまだ利益率が低いという課題がありますので、利益型体質の企業へと変わっていかなければなりません。特に山形の酒を取りまとめて小ロットで販売する仕組みは、うちのオリジナルで他社にはない特色でもあります。手間のかかることではありますが、それを敢えてすることに私たちの存在価値があり、その発注ロットをさらに拡大していくことが今後の目標です。山形の酒蔵や酒販店とも協力しながら地元を盛り上げつつ、その良さを伝えられるように全国展開にさらに力を入れていきたいと考えていますので、星野さんには今後も厳しくも温かいサポートをお願いしたいと思っています。

武田庄二商店

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